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続・変身ヒロインという存在

どうやら自分は「悪堕ち」も好きらしい、

好きな属性が多いことは

人生を楽しむ上では有利だと思う。



9/18 フレーバーテキスト追加。







【フレーバーテキスト】



暗い暗い闇の中で、私は目覚めた。

なんだかずいぶんと眠っていた気がする。

ここは・・・、どこだ?


[ガチャガチャッ]


「うっ…」

身をよじると、固く、冷たい感触が手足に触れた。

どうやら私は円形の台座に磔られているようだ。


だんだんと闇に目がなれてきた、

すると、一人の男が私を見降ろしているのが見えた。

「貴様は…」

男は唇を歪めていった。

「目が覚めましたか、シェルガード」

忘れもしない。そこにいたのは過去に私を改造した狂科学者だった。


「まったく、あなたには困らされましたよ」

「………」

「12週に渡り、戦闘員245体、怪人12体、幹部1人、

 一体どれだけ組織に損害を与えれば気が済むんですか」

「…組織が壊滅するまで、よ」

「ほう、組織の元幹部様のお言葉とは思えませんねえ、…ブラックキャンサー」

「…っ!その名で私を呼ぶなっ!!」

「いやはや見事な指揮でしたよねえ、【毒ダム決壊作戦】。

 町中に響き渡る悲鳴が、昨日のことのように思い出せますよ」

「やめろっ!!」

「ふふふ、あなたは私の…、いえ、組織の最高傑作ですよ。

 あなたさえ戻って来て下されば、組織の損失を埋めてお釣りがきます」

「・・・貴様の思い通りになどなるか」

奴はニヤリと笑うと近くに置いてある布を取り払った。

その下にあったのは、昔、私の心を狂わせた≪洗脳装置≫だった

「これがなにかはご存じですよね。

 前のような失敗をなくすため、出力を50%上げて洗脳アルゴリズムに改良を加えました」

そういうと奴はその装置のレバーに手をかける。


くっ…。また…、また私に人を殺させるつもりか!


「 ……  !!  」

口元から赤が走り、ぬるりとした感覚が顔を伝っていく。

「ほう、舌を噛みましたか」

クックックと奴は小さく笑った。

「その程度では死ねませんよ。…あなたは私がつくったのですから」

そういうと奴はレバーを握り、


「さようなら、シェルガード」


勢いよく落とした。




「がっっ…があああッ!!」

体に電流が走り、目の前が真っ白に明滅する。

猛烈な酩酊感と頭痛。

それと同時に頭の中に目まぐるしくイメージが流れこんでくる。


意識が定まらない、

何も考えられない、

だんだんと何が正しいのかわからなくなってゆく!


嫌だ!嫌だっ!私が消える!消えてしまう!


私の決意が!私の心が!

何か別の物に塗りつぶされていく!


助けてっ!


助けてっ!


助けてっ!


助けてっっ!!


………

……




心地よい闇の中で、私は目覚めた。

「目が覚めましたか、[ ブラックキャンサー ]」

「ええ」

一呼吸置き、[ シェルガード ]がもうどこにも存在しないことを確認して、

「…目が覚めたわ」



私は妖艶に笑った。

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