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一歩ずつ進めよう

少しでも動くきっかけにするためにブログに書き込んで勢いをつけていく。
考えすぎは動けないので整理するべきである。
・あまりに絵を描くのが重いようなら、後に回すのも策である。
水の戦姫1のコピー
・だいたいイメージは伝わるのでもうこれで次に言っていいのでは、
 仕上げ?知るかー!ゲーム部分作ろうぜ!

ぼおかあさんに絵を描いて頂きました

ぼおかあさんに絵を描いて頂いたので略奪してきました。
わーい、ありがとうございます。
今後はちゃんとしたギャラリー的なものをホームページに作っていきたい。

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ムノー

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アルマ

「反陽子の彼」(短編小説)

「反陽子の彼」 byアスロマ

高校時代の話だ。

彼は同学年で自転車で四十分ほど離れた住宅街に住んでいた。
彼と私は趣味があった。
彼は私よりもゲームや漫画の趣味に深く、よく私に漫画や小説を貸してくれた。
彼は私にコアな面白さを伝え、私はその面白さへの共感を返した。

私たちは植物と蜜蜂のような共生関係にあった。

私と彼は体育館裏で昼食を一緒にとることが多かった。
ある昼なか、SF漫画かガンダムの話題が一区切りついた後で、彼はこう言った。

「僕さ、自分が死んだと同時に反陽子爆弾で地球を滅亡させたいんだよね」
彼は笑いながらいったが、私は無知だったので取り敢えず訪ねた。
「反陽子爆弾って……なに?」

その後、しばらく私は彼のレクチャーを受けた。
詳しいことは忘れたが、
原爆や水爆よりも強力で、地球の半分を吹き飛ばすくらいの威力が出る爆弾だということがわかった。

彼は秀才で、「家に帰ってから五時間勉強して五時間ゲームしているらしい」と、噂されるような人だった。
彼が反陽子爆弾を作れる立場につく可能性はゼロではない。

「……どのタイミングで自分が死んだと判断するの?」
「僕の心臓が止まったらかなあ、心臓にセンサーを埋め込んで心臓が止まったら爆発させる」
「うーん、でも仮死状態とかもあるし、心臓が止まっただけだったらまだ生き返る可能性もあるのでは?」
「じゃあ心臓が止まってから、丸一日止まったままだったら爆発かなあ」

どうやら反陽子爆弾で地球を滅亡させるという基本方針は変わらないらしかった。

でも、彼の気持ちもわからないことはない。
自分が死んだ後、
自分が観測できない世界で生き続ける人達が、
僕らはちょっとだけ妬ましいのだ。

…………

ネット上の友人が二十歳になったと聞き、私はふと彼の事を思い出した。
高校を卒業してからは彼とも疎遠になった。
あれから何年も過ぎ、私も彼も三十に近い。
彼は元気に生きているだろうか。

しかし、そこで気づいた。
生きているに決まっているじゃないか。

私は口元を歪め、ニヤリと小さく笑う。
彼は元気にやっている。
理由は簡単だ。

地球の半分が、まだ吹き飛んでいないのだから。
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