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『能力不明イントルーダー(R-15)』

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『能力不明イントルーダー(R-15)』 作・アスロマ

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この物語は、スマートフォンが時代遅れになった頃の物語である。
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その少年は改造人間である。
少年のコードネームはイントルーダー(侵入者)、略してインダと呼ばれている。

少年には悩みがあった。
人権無視の強化人間研究所(秘密組織)から命からがら逃げ出してきた彼であったが、
彼は自分に殖え付けられた能力が如何様なものなのかを知らないのだ。

逃げた先で戦隊ヒーロー的な組織(5人組のアレ)に拾ってもらったのは幸運だった。
衣食住が完備されて特に労役もなく国税でメシが食えるのもラッキーだった。

しかし、彼は寝床で考える。

「もしかしたら俺は」
「俺のよくわからない力で」
「いつか世界を」
「滅ぼしてしまうかもしれない」
「……ウゴゴゴ」

彼は思春期シャイボーイ。
思い込みの激しさと女体への興味、それを隠したいプライドと無尽蔵な行動力がないまぜになった
上下左右に飛び跳ねる人間スーパーボールである。
その彼が自分の能力を気にするのは当然といえよう。

「よし……司令に相談しよう」

ヒーロー組織の司令は29歳独身の見目麗しい女性である(インテリメガネである)。
女性がこういう組織のトップに立つことは非常に珍しいことであろう。
そのせいで戦隊ヒーローのメンバーからは司令が女であることへの不安が漏れ、
叱責が厳しすぎてヒステリックに見えることへの不満が漏れていた。

だがインダは気にしない。彼女に使われる立場ではないし、思春期の少年は細かいことを気にしないのだ。
司令の射抜くような鋭い目の凛々しさ、失敗を咎める際に組んだ腕の間で豊満な胸が歪む姿は思春期の少年には蠱惑的に過ぎた。
簡単にいえば彼は惚れっぽいバカだった。
『美人の司令に俺も叱られて~ッ!』と思うがそれ以上深く考えないバカだった。
思春期だからしょうがないね。

■■■■能力 起動■■■■■■■■■■■■■■■■

彼はごろ寝を中断し、勢い良く上体を起こす。
「?」
はて面妖な、クッションから顔を上げて起き上がったはずが、
また弾力のあるクッションに顔を埋めているとは。
今までのだらけた生活が体に染み付き過ぎて無意識の内に体が布団に倒れこんだのか、
それともこれが俺の真の能力【堕落者の寝床】なのか、と、独りごちては見たものの
視界の上に何かが見えているのに気づく。

見上げる二つの丘の上、真っ赤に見えるは太陽か。
いやいやしっかり目を凝らしゃ、
二つの丘は二つの乳房、真っ赤に見えるは羞恥の表情。

「あ、戦隊ピンクさんおはようございます。初日の出って綺麗ですよね」
「もう昼過ぎだよバカ!」

頬に残る赤熱。
秋は既に過ぎれども、頬に残るは綺麗な紅葉。

「まったく。昼過ぎまで寝てると思えば起きてそうそうセクハラときたもんだ。
 せっかく起こしに来てやったのに、とんでもない仕打ちだよ。
 そのまま永眠しちまえばよかったんだ」
「いてて、不可抗力ってもんですよ」
「はいはい、言い訳はいいからとっとと布団から出る!」

ピンクが残った布団を剥ぎ取り、インダの背中を蹴り飛ばして寝床から追い出す。
「ちょっと、あんたポケットに何でそんなに物詰めてるのよ、みっともない。
 ほら、とっとと出す!」
「あ、これは違うんだ。さっきまで寝てたから」

(略!朝勃ち!)

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こののち、物語としては

・司令にあってラッキースケベ(ノックしろバカモノ!)
・強化人間研究所に忍び込んでラッキースケベ1(忍び込んだ場所が女風呂だった!)
・強化人間研究所に忍び込んでラッキースケベ2(見つかって逃げてる最中に四つ角で激突)
・強化人間研究所に忍び込んでラッキースケベ3(逃げ込んだ先のトイレが使用中)

と続くのだが、作者急病(仮病あるいはモチベーション欠乏症)のためカット
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かくして彼は自分を改造した女研究者の元にたどり着く。
疲れてダルそうにしながらも妖艶な美しさを纏った研究者は不敵な笑みを浮かべ彼の質問に答えた。

「お前の能力は……」
「俺の能力は……」
「ラッキースケベを発生させる能力だ、理論上は天文学的確率で起こるラッキースケベすら発生させる」
「ナンダッテー!!」
「ん!こら、ビックリした弾みに倒れこんで私の股間に顔を埋めるのはやめ……ん!」
「キワでーッ!でもウレピー!」

その少年は改造人間である。
少年のコードネームはイントルーダー(侵入者)、略して淫堕(インダ)と呼ばれている。

<完>

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<あとがき>
友人が「書いてる小説にラッキースケベを入れるかどうか迷っている」と言ったのに対し、
私が「五行に一度ラッキースケベ入れてくださいよ」と返したのをもとに
『実際に五行に一度ラッキースケベを入れることは可能なのか』というのを試す実験的内容でした。

結論。無理☆
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